※本記事はパン屋作戦終盤ストーリーのネタバレが含まれています。
ストーリークリア前に読むのは非推奨です!!!
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パン屋作戦、旧作とは全く違う壮大な物語に驚いた人も多いでしょう(筆者もその一人です)
しかし残念ながら、最後にジェフティは計画達成のため1人でロ連軍と戦い、最終的にはウィリアムに捕われてしまいます。
ハッピーエンドを期待していたプレイヤーからすればあまりにも悲しすぎる結末……
けれども、別れ際にルシカは意味深な言葉を残しています。
「(リゲルの分身がいるから)すぐにはバレない」
「奈落から這い上がることができたなら、名前を取り返しに来て」
これはもう将来的にジェフティ救出を行う続編、或いはDLCを暗示しているといっても過言ではないでしょう。
実は原作である「面包房少女」にも設定上ですが、捕われたジェフティの奪還作戦が存在しています。
その名も火種作戦(Operation Kindle)。
今回は甚大な損害を出しながらも最終的に戦争終結をもたらした、当作戦について書いていきたいと思います。
パン屋作戦は失敗に終わった。南連軍は敵の罠にはまり大きな被害を受け撤退、行方をくらましたジェフティもロ連に捕まり人体実験の被験者となった……
2年後、南連諜報部は捕らわれていたジェフティを発見、奪還作戦として「火種作戦」を発令。目標地点へ向かう輸送機にはかつてジェフティと接触した兵士、モンドも乗り込んでいた……
-「面包房少女」翻訳記事より抜粋-
作戦日時:
2094/11/7
作戦場所:
ロ連領 遺跡内秘密基地 コードネーム「熊の巣穴」
作戦目標:
実験体G-179「ジェフティ」の確保
指揮官:
ケンプフェ大佐
作戦概要:
本作戦はジェフティが確保されている秘密基地の場所以外、敵戦力配置等の情報がない中で立案されている。
これは「パン屋作戦」が二重スパイによる情報漏洩から失敗したため、ケンプフェ大佐がMIDを信用してなかったこと。並びにジェフティを早期に確保することで南連の技術的優位を維持したいという思惑があったためとされる。
かくして作戦は実行に移された。
作戦初期段階は順調に推移し「熊の巣穴」付近に展開するロ連軍は壊滅、基地を孤立させることに成功する。
だが、TASA隊員を乗せた輸送機が隠蔽されていた対空兵器に攻撃され全滅してしまう。
唯一モンドだけが生存し遺跡内部へ潜入。捕われていたジェフティを救出し、同時にパン屋作戦で撃破されたノエルも発見した。
しかしロ連軍が増援部隊として送り込んだAA-03の攻撃により遺跡が破壊され、コーラップスの大規模漏洩が発生。※1
耐性を持たないロ連軍兵士は次々とELID化していき、更に高濃度コーラップスにより遺跡内部の温度がどんどん上昇していった。
このままでは北蘭島事件と同レベルの爆発が発生し、人類存亡の危機が再び訪れる。
そのため状況を把握した南連とロ連上層部はすぐさま交渉を開始。
最終的に溶解プルトニウムを搭載した南連軍ALBM(空中発射型弾道ミサイル)を遺跡へ撃ち込むことで、コーラップス粒子を全て蒸発させることとした。
現地ではコーラップス粒子による通信障害が発生し南連軍は退却命令を受信することが出来ない状態だったが、それでもモンド、ジェフティたちは脱出を試みていた。
しかし最終的に退避は間に合わずミサイルが着弾。
直撃を受けた遺跡は地下70mまでプルトニウムで完全に融解。
モンド、ジェフティ、ノエル、そして現地指揮官のケンプフェ大佐を始め多くの兵士が消息不明となり遺体すら見つからなかったとされる。
作戦の詳細は「2092R」の機密資料にも記載されてます。
※1
これは奇しくも北蘭島事件と同じ流れである。
この作戦の失敗により最終的に南連とロ連は和平を結び、南極戦争は終結する。
これは共同作業で世界を救ったことによる融和ムード、などという生易しい話ではなく単純に両国とも軍事・政治の両面から戦争継続が困難になったためである。
作戦による損害は
・南極:多数の兵士、航空機の損耗。
・ロ連:遺跡研究における最重要拠点の消滅、並びに政治的打撃。
南連側はただでさえ少ない人的資源を失い、特に精鋭部隊であるTASAも大きな打撃を被った。
5年前の開戦時点で南極連邦は人口3000万以下とされており、物量で戦うロ連との戦はジリ貧状態だったはず。この状態で精鋭部隊を失ったことは非常に大きな痛手である。
一方ロ連側は遺跡研究拠点と「鍵」であるジェフティを失ったことで、遺跡技術を獲得することに失敗。短期的に南極との技術ギャップを埋めることが出来なくなった。
そして何より南連軍弾道ミサイルによる自国領攻撃を容認した(これはロ連現政府に問題解決能力がないと暴露したも同義)ことで首脳部の責任問題に発展。※2
更に南連軍による封鎖解除の見込みも立てられず、最終的に中央政府の崩壊にまで至る。
作戦から2か月後、シンガポールにてロ連新政府と南連で平和条約が締結。戦争は終結した。
無論この和平は偽りのものであり条約締結後も月下美人作戦を始めとした諜報作戦は続けられ、17年後の2112年には第二次南極戦争が勃発。悪夢の時代は続くこととなる。
※2
南極戦争時、南連は「人道的配慮」によりロ連内陸部への報復攻撃を行わなかった。
すなわち今回の作戦でロ連は初めてALBMによる攻撃を受け、その長距離打撃能力に驚愕したとされる。
……というわけでパン屋主要人物の多くがMIAとなる「火種作戦」。
あくまでも原作の設定であり、根幹から設定が異なる逆コーラップス:パン屋作戦と関係ないのでは?と思う人もいるでしょう。(設定どおりだと全滅ENDになりますし……)
しかしこの作戦とはつながる要素が多いのです。
第一にストーリー終盤の流れが酷似しています。
面包房少女ストーリーは最後、
ジェフティ逃亡→モンドが時間を稼ぐため一人でロ連軍と戦う(隠しステージ)→ステージ終了後ウィリアムに捕われたジェフティが出てきてEND
となります。
一方逆コーラップスは、
ジェフティが計画達成のため1人離れる→ロ連軍と戦闘(念願成就)→ステージ終了後ウィリアムに捕われる
とある程度流れが一致してます。
また、ロ連研究施設ではジェフティの複製(クローン)や最新型戦術人形への遺伝子情報移植(アンドロイド?)を試みていたことが分かっていますが、これは逆コーラップス本編でウィリアムがノエルにしていたことと同じです。
逆コーラップス本編にて、G-264ノエルは三女神計画の産物でありロ連側が確保した実験体。
しかし彼女に「鍵」としての素質はなかったため、ウィリアムはシュライク細胞を使って彼女を浸食し大量の分裂素体を作ることで素質を持った突然変異が生まれてくることを企図していました。
その結果生まれたのがリゲル、そしてルシカとなるのです。
……こうしてみると原作の要素をうまく拾ってるというか、設定を把握した人ならこの後の展開を予想できそうな終わり方にしてるのかなぁと思ったり。
一応散爆側でも続編の構想はあるが脚本担当(=羽中)が多忙でまだ取り掛かれないとのこと。
ハッピーエンドを見るには、まだまだ首を長くして待つ日々が続きそうですね。
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