「ELID」について今までTwitterで呟いていたことを整理、簡単に纏めました。

※2021/10/17記事修正

※2021/10/17記事修正
概要:
正式名称は
「Euroky Low-emission Infectious Disease」(広域性低放射感染症)
古代遺跡内部に存在するコーラップス(崩壊液)に被爆することで発症する病気である。
正確に言うとELIDは単なる病名であり、感染者についてはELIDerやELID感染者と称するのが正しいが、一般的にはELIDという単語自体が感染者を指す言葉とかしている。
感染経路:
コーラップス、或いはそれに汚染された物へ触れることで発病する。
高レベルのコーラップスに触れると崩壊反応によって物体はすぐに「消滅する」ため、この病気に発症する場合は低レベルのコーラップスに晒されることが前提となる。
(しかし、コーラップスが人体に無害化するまでかかる時間は10万年とされている。粒子化したコーラップスの吸引、或いは生物濃縮によって汚染された食物による感染の可能性もある)
ELID化した生物の体表からはコーラップスが放出されるため、感染者との接触から二次感染が生じる可能性は十分にある。
また感染によって変異した一部植物は開花時にコーラップスを放出する、作中ではこれによって新たな汚染エリアが生まれたことも……
症状:
「ダメだ、腕が硬化しちまって動かせない・・・もう、引き金を引くことすら・・・」
-異性体イベント、ベオグラード防衛軍兵士-
「子どもは感染してすぐ死んでしまいます。だから、化け物にはならなかった・・・」
-裂变链接イベント、SSG3000-
症状の進行については大きく、「ELID化」「ELID変異」の2つに分類可能と推測している。
「ELID化」
健全な人間がELIDへ感染し、化け物になるまでの状態。
症状の進行段階は大きく3段階に分けられる
・α-Time
感染初期段階、異常代謝や血中の赤血球増加・白血球減少により免疫力が低下。幻視・幻聴を始めとしたせん妄症状が見られる。
・β-Time
感染中期段階、身体の免疫機能が失われ、異常代謝により内臓・皮膚のケイ素化が始まる。
せん妄症状はますます酷くなり、意識障害や強い攻撃性を有するようになる。
・ELID-Infected
感染末期段階、ここからは一般的にELIDと呼ばれる状態となる。
赤血球が急減する一方白血球数が増大し免疫力が増大し、骨中カルシウムの異常凝固による骨密度増加、ケイ素化の更なる進行に伴って強靱性が非常に高くなる。この段階で9mm拳銃弾は歯が立たず、223口径ライフル弾で何とか貫通できるほどの硬度を持つようになる。
人間としての意識はなくなり、攻撃衝動に基づき無差別に周囲を襲う。
これ以外にも体組織ケイ素化による激痛、呼吸困難、異常代謝による細胞壊死などが観測されている。
症状の進行には被爆者の体質・体力による影響が大きく影響する。(特異点、偏振光、鏡像論と3度に渡り被爆した指揮官は特に影響が出てない一方、偏振光でのみ被爆したカリーナは即入院が必要になるなど)
体質によってはα~β-Timeにて死亡することもあり、特に子どもは体力の関係でELID化する前に死ぬことが多い。
「ELID変異」
ELID-Infectedと化した感染者がその後も崩壊液の効果によって変異し続ける状態。
最終的には原型をとどめぬ異形の存在、D型感染者へと変貌する。
変異形態については感染者の体質・感染環境によって異なるとされており、どのような変異が起こるのか統計すら取れてないのが現状である。
パン屋少女6章に登場するD型感染者。作中ではAA-03強化外骨格に匹敵する敵として立ち塞がる。
なおD型という区分はパン屋独自のものであり、少女前線本編、設定資料集内にはD型という表記が存在しない。
「D」の意味は不明。A~D型までの感染度合いを示しているのか、もしくは「Deadly」の頭文字から取ったものか……
治療法:
「無い・・・かつてワクチンも開発されたが、治療できなかった。」
-パン屋少女、モンド-
一度ELIDに変異した感染者を救う方法はない。
既存の装備では崩壊液による汚染を完全に防ぐことができず(1970年当時の最高ランク防護服ですら汚染環境下では20分ももたない)汚染エリアに留まることは死を意味する。ワクチン開発も頓挫したため、1度感染した場合は対処療法によって症状の抑制、緩和を行う以外に方法がない。
・最適な対策は遺伝子改良手術によってコーラップスへの耐性をもたせる方法である。この手術を施すことで通常なら即座にELID化するような環境下でも行動可能になる。技術自体は2020年代に確立していが、高度な技術が必要なためか広く実用化されているのは南極連合のみ。
・感染初期であれば、アドレナリン投与によって痛み・せん妄症状を遅延可能。あくまで対処療法であり時間稼ぎにしかならない。

・2060年時点で一番確実な治療法はELIDに免疫を持つ「完全免疫体」と呼ばれる人から血清を作成、或いは彼らから直接血液を投与することである。(血の医療……)
しかし完全免疫体は世界に極僅かしか存在せず、症状が進み瀕死となった人に投与しても効果がない。
・2064年には東独の製薬企業ガラテアにより「エデン」と呼ばれるELIDワクチンの臨床試験が行われている。このワクチンは体内の細胞分裂を促進・免疫力を高めることで治療するという名目で開発された。
……しかし実際にはELIDへ変異した細胞までも増殖させ、病状をより早く進行させる殺人ワクチンであることが判明。ワクチン開発主任がパラデウス工作員だったこともあり開発は頓挫する可能性が高い。
歴史:
「1976年に最初の症例が報告されて以降、1980年までに観測された感染者は15万人。しかし、そこから81年までの僅か1年で新たに5万人が発症した。」
-パン屋少女 機密資料9-
最初にELIDが確認されたのは1976年、感染者は米軍の技術軍曹。 南極マクマード基地地下のD1遺跡にてテレポート実験に参加していたが、3度目の実験後体内タンパク質結合に異常が発生。急速な老化、カルシウムの変異による異常硬化によって死亡した。
公式にELIDとして死んだとされているのは彼が最初だが、1973年にソ連領ノヴァヤゼムリャのOKB-10遺跡にてコーラップス漏洩事故が発生。救出に向かったソ連北方艦隊海兵隊が「怪物」と交戦していることからELID感染があったものと思われる。(最終的にソ連軍は核を使用、遺跡を封鎖した)
その後、遺跡開発やベトナム・アフガンでの崩壊兵器使用によって感染者は拡大。危機感を覚えた米ソは感染源となるコーラップス技術の使用を制限、また国連に遺跡開発部門を設立し遺跡開発と合わせてELID治療法の研究を進めていった。
しかし、2030年の北蘭島事件によって世界秩序は崩壊。ユーラシア、南北アメリカ大陸の広範囲が汚染され世界中にELIDが溢れた。各国は感染者の治療よりも非汚染地帯の確保に全力を注ぎ、更に安全圏だったはずの欧州も2035年に発生したオーロラ事件により汚染されてしまう。

作中、または設定資料にて言及された汚染エリア(アメリカ大陸の汚染範囲はもっと大きい)
この範囲内だけでも多数のELIDがいると推測できる。
残された人類もただ手をこまねくだけでなく、
・汚染地帯で活動するための自動人形技術の開発
・ELID隔離壁と浄化塔による都市防衛
を行い生存圏を維持しようと試みている。
しかしこうした対策によって作られた「グリーンゾーン」や「ホワイトゾーン」への居住は限られた人間にのみ許されており、多くの人類にとってELID感染=死刑宣告となる事実は変わらない。
この状況はロクサット主義合衆国連盟設立、そして南極連合との国交樹立後も大きく変わることがなく地獄の日々は延々と続いていくのである。
関連ページ:
少女前線世界のキーアイテム、「コーラップスを放出する花」であるエピフィラムの解説記事。
ELIDの原因となるコーラップスを持ち運び可能かという質問に関する個人的考察。
1981年、アフガニスタンにて行われた軍事作戦の解説。これによってコーラップス汚染が引き起こされた。
正式名称は
「Euroky Low-emission Infectious Disease」(広域性低放射感染症)
古代遺跡内部に存在するコーラップス(崩壊液)に被爆することで発症する病気である。
正確に言うとELIDは単なる病名であり、感染者についてはELIDerやELID感染者と称するのが正しいが、一般的にはELIDという単語自体が感染者を指す言葉とかしている。
感染経路:
コーラップス、或いはそれに汚染された物へ触れることで発病する。
高レベルのコーラップスに触れると崩壊反応によって物体はすぐに「消滅する」ため、この病気に発症する場合は低レベルのコーラップスに晒されることが前提となる。
(しかし、コーラップスが人体に無害化するまでかかる時間は10万年とされている。粒子化したコーラップスの吸引、或いは生物濃縮によって汚染された食物による感染の可能性もある)
ELID化した生物の体表からはコーラップスが放出されるため、感染者との接触から二次感染が生じる可能性は十分にある。
また感染によって変異した一部植物は開花時にコーラップスを放出する、作中ではこれによって新たな汚染エリアが生まれたことも……
症状:
「ダメだ、腕が硬化しちまって動かせない・・・もう、引き金を引くことすら・・・」
-異性体イベント、ベオグラード防衛軍兵士-
「子どもは感染してすぐ死んでしまいます。だから、化け物にはならなかった・・・」
-裂变链接イベント、SSG3000-
症状の進行については大きく、「ELID化」「ELID変異」の2つに分類可能と推測している。
「ELID化」
健全な人間がELIDへ感染し、化け物になるまでの状態。
症状の進行段階は大きく3段階に分けられる
・α-Time
感染初期段階、異常代謝や血中の赤血球増加・白血球減少により免疫力が低下。幻視・幻聴を始めとしたせん妄症状が見られる。
・β-Time
感染中期段階、身体の免疫機能が失われ、異常代謝により内臓・皮膚のケイ素化が始まる。
せん妄症状はますます酷くなり、意識障害や強い攻撃性を有するようになる。
・ELID-Infected
感染末期段階、ここからは一般的にELIDと呼ばれる状態となる。
赤血球が急減する一方白血球数が増大し免疫力が増大し、骨中カルシウムの異常凝固による骨密度増加、ケイ素化の更なる進行に伴って強靱性が非常に高くなる。この段階で9mm拳銃弾は歯が立たず、223口径ライフル弾で何とか貫通できるほどの硬度を持つようになる。
人間としての意識はなくなり、攻撃衝動に基づき無差別に周囲を襲う。
これ以外にも体組織ケイ素化による激痛、呼吸困難、異常代謝による細胞壊死などが観測されている。
症状の進行には被爆者の体質・体力による影響が大きく影響する。(特異点、偏振光、鏡像論と3度に渡り被爆した指揮官は特に影響が出てない一方、偏振光でのみ被爆したカリーナは即入院が必要になるなど)
体質によってはα~β-Timeにて死亡することもあり、特に子どもは体力の関係でELID化する前に死ぬことが多い。
「ELID変異」
ELID-Infectedと化した感染者がその後も崩壊液の効果によって変異し続ける状態。
最終的には原型をとどめぬ異形の存在、D型感染者へと変貌する。
変異形態については感染者の体質・感染環境によって異なるとされており、どのような変異が起こるのか統計すら取れてないのが現状である。
パン屋少女6章に登場するD型感染者。作中ではAA-03強化外骨格に匹敵する敵として立ち塞がる。
なおD型という区分はパン屋独自のものであり、少女前線本編、設定資料集内にはD型という表記が存在しない。
「D」の意味は不明。A~D型までの感染度合いを示しているのか、もしくは「Deadly」の頭文字から取ったものか……
治療法:
「無い・・・かつてワクチンも開発されたが、治療できなかった。」
-パン屋少女、モンド-
一度ELIDに変異した感染者を救う方法はない。
既存の装備では崩壊液による汚染を完全に防ぐことができず(1970年当時の最高ランク防護服ですら汚染環境下では20分ももたない)汚染エリアに留まることは死を意味する。ワクチン開発も頓挫したため、1度感染した場合は対処療法によって症状の抑制、緩和を行う以外に方法がない。
・最適な対策は遺伝子改良手術によってコーラップスへの耐性をもたせる方法である。この手術を施すことで通常なら即座にELID化するような環境下でも行動可能になる。技術自体は2020年代に確立していが、高度な技術が必要なためか広く実用化されているのは南極連合のみ。
・感染初期であれば、アドレナリン投与によって痛み・せん妄症状を遅延可能。あくまで対処療法であり時間稼ぎにしかならない。

・2060年時点で一番確実な治療法はELIDに免疫を持つ「完全免疫体」と呼ばれる人から血清を作成、或いは彼らから直接血液を投与することである。(血の医療……)
しかし完全免疫体は世界に極僅かしか存在せず、症状が進み瀕死となった人に投与しても効果がない。
・2064年には東独の製薬企業ガラテアにより「エデン」と呼ばれるELIDワクチンの臨床試験が行われている。このワクチンは体内の細胞分裂を促進・免疫力を高めることで治療するという名目で開発された。
……しかし実際にはELIDへ変異した細胞までも増殖させ、病状をより早く進行させる殺人ワクチンであることが判明。ワクチン開発主任がパラデウス工作員だったこともあり開発は頓挫する可能性が高い。
歴史:
「1976年に最初の症例が報告されて以降、1980年までに観測された感染者は15万人。しかし、そこから81年までの僅か1年で新たに5万人が発症した。」
-パン屋少女 機密資料9-
最初にELIDが確認されたのは1976年、感染者は米軍の技術軍曹。 南極マクマード基地地下のD1遺跡にてテレポート実験に参加していたが、3度目の実験後体内タンパク質結合に異常が発生。急速な老化、カルシウムの変異による異常硬化によって死亡した。
公式にELIDとして死んだとされているのは彼が最初だが、1973年にソ連領ノヴァヤゼムリャのOKB-10遺跡にてコーラップス漏洩事故が発生。救出に向かったソ連北方艦隊海兵隊が「怪物」と交戦していることからELID感染があったものと思われる。(最終的にソ連軍は核を使用、遺跡を封鎖した)
その後、遺跡開発やベトナム・アフガンでの崩壊兵器使用によって感染者は拡大。危機感を覚えた米ソは感染源となるコーラップス技術の使用を制限、また国連に遺跡開発部門を設立し遺跡開発と合わせてELID治療法の研究を進めていった。
しかし、2030年の北蘭島事件によって世界秩序は崩壊。ユーラシア、南北アメリカ大陸の広範囲が汚染され世界中にELIDが溢れた。各国は感染者の治療よりも非汚染地帯の確保に全力を注ぎ、更に安全圏だったはずの欧州も2035年に発生したオーロラ事件により汚染されてしまう。

作中、または設定資料にて言及された汚染エリア(アメリカ大陸の汚染範囲はもっと大きい)
この範囲内だけでも多数のELIDがいると推測できる。
残された人類もただ手をこまねくだけでなく、
・汚染地帯で活動するための自動人形技術の開発
・ELID隔離壁と浄化塔による都市防衛
を行い生存圏を維持しようと試みている。
しかしこうした対策によって作られた「グリーンゾーン」や「ホワイトゾーン」への居住は限られた人間にのみ許されており、多くの人類にとってELID感染=死刑宣告となる事実は変わらない。
この状況はロクサット主義合衆国連盟設立、そして南極連合との国交樹立後も大きく変わることがなく地獄の日々は延々と続いていくのである。
関連ページ:
少女前線世界のキーアイテム、「コーラップスを放出する花」であるエピフィラムの解説記事。
ELIDの原因となるコーラップスを持ち運び可能かという質問に関する個人的考察。
1981年、アフガニスタンにて行われた軍事作戦の解説。これによってコーラップス汚染が引き起こされた。
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