デイナ:
おぉ、ジルか。
グリフィンの人形と話すのにも慣れてきたか?

ジル:
いいえ、まだまだ驚きでいっぱいです。
彼女たちはホワイトナイトと違って、普通の人間と同じように着飾ってるんですよ。

デイナ:
多分50年前の人間は、こんなロボットがいたら・・・なんて妄想してたんだろう。
さあ、今日の仕事も頼んだぞ。




ドロシー:
ドロシー・ヘイズが今日もヴァルハラに来てあげたわーー!
・・・何か反応薄くない?

ジル:
久しぶり、ドロシー。
最近はグリフィン人形ばっかりだから、リリムが来るのも新鮮ね。

ドロシー:
そうよ。私ね、今日はグリフィン人形を連れてきたの。
O44さん、入ってきて!

MuMu20190614223920
Ots-44:
ええっと、こんばんは!

ドロシー:
彼女、路上で何か思い悩んでたの。
いつもなら”お誘い”するところだけど、法律上外国人観光客は誘えないから。だからここに連れてきたのよ。
O44、彼女はジル。私の親友で、最高のバーテンダーよ!

ジル:
そう、ドロシーの中では、私は自販機と同じくらい大切な存在よ。

ドロシー:
ちょっと!

Ots-44:
初めまして、ジルさん。
けどここは入り組んだ場所ね、本当に帰り道が心配になるくらい。

ジル:
待って・・・
あなた、どこの馬の骨かも分からないリリムに連いてきちゃったわけ?

ドロシー:
わたしを誘拐犯みたいに扱わないでくれる!

Ots-44:
大丈夫よ、M870からこのお店は聞いてたし。
それにドロシーの目を見て、なんて無邪気できれいな瞳なの!こんな子が嘘をつくわけないわ。

ジル:
(そう、私がドロシーから学んだ最大のこと、それは「無邪気」と「善」は両立しないこともあるってこと・・・)
何を注文されますか?

Ots-44:
じゃあ、ブルーフェアリーを1つ。

-------------------------------------------------------------

Ots-44:
ああ、とても甘いわ!
・・・1つ話していいかしら、私は・・・今恋をしてるの。

ドロシー:
~~♪

ジル:
それは、とてもいいことですね。

Ots-44:
うん・・・
けど私が好きなのは・・・電柱なの。

ジル:
・・・・・・・・・・・・
えっと、グリフィン人形と人間で愛の概念が同じとは限りません・・・
そう、このリリムは自販機が親友の1人ですから。

ドロシー:
ジル!!
まぁともかく、この都市のナノマシン、そして電磁波がグリフィン人形のモジュールに影響を与えると聞いたことあるけど・・・
ねぇ、電柱と恋に落ちたって事はキスとかしたくなるの?

Ots-44:
ちょっと恥ずかしいけど、私は彼に触ったり、登ったり、その電流を体に流して燃え上がったりしたい・・・それから、それから・・・

ドロシー:
あああああぁぁぁぁぁぁぁ!!ストップ!ストップ!!
頭がオーバーヒートしそうよ!!!
ジル、私に飲み物を!

ジル:
えっ、わ、分かった・・・
(ドロシーがいつも頼むのは、ピアノウーマン・・・)

-------------------------------------------------------------

ドロシー:
ありがとう・・・!
ゴメンね、O44。私、あなたの恋を変な物扱いしちゃった・・・

Ots-44:
ううん、大丈夫。
以前はワイヤレスイヤホン、軌道上の人工衛星、映画のトレーラーに夢中だったから・・・

ジル:
映画のトレーラー・・・ですか。

Ots-44:
そう、予告編
人工衛星で心がいっぱいの時、ふとスクリーンの強烈な光が目に入ってきたの。
それからは寝ても覚めてもマインドクラウドが予告編でいっぱい。何度も何度もリピートして、トレーラー内の字幕になりたいと思い詰めて・・・
そんなことを考えてる内に偶然電柱にぶつかったと思ったら・・・

ジル:
これは、アルマでも無い限り理解できないわ。

ドロシー:
ならここは名探偵ドロシーの出番ね!
彼女は電子機器に恋をしてるの、しかも決まって強い衝撃を受けたときに!
あなたのマインドマップ?が衝撃を受けたとき、近くの機械から強い電磁波を受けてしまった・・・
その瞬間、あなたの「愛」は制御不能になり一番近くの機械をその対象にしてしまうのよ!
どう、この仮説は!あとはこれを証明するだけ!

ジル:
まさかと思うけど、彼女のライフルで思いっきり頭を殴るのだけはやめてちょうだい。

ドロシー:
そうじゃない!ここで一番強い酒を飲むの!
そうすればここで一番新しい電子機器・・・そう、私が恋愛対象になるはず!

ジル:
あなた、何かやましいこと考えてないでしょうね?

ドロシー:
これは学術的研究よ!それに電柱よりも私を好きになった方がいいと思うし。

ジル:
分かったわ。
(Ots-44に一番強いお酒を)


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Ots-44:

じゃあ、いきます!

ジル:
(本当に一気飲みした・・・!)

Ots-44:
・・・

ドロシー:
ねぇ、どう?どうなの?
・・・O44?O44さん??

Ots-44:
・・・・・・・・・

ドロシー:
うわーん!グリフィンの人形を壊しちゃった!ニュースになっちゃう!それから刑務所に入れられる!
その前に、ボスが私を解体してメモリーだけコントロールパネルに突っ込んじゃうんだ!!

Ots-44:
うぅ・・・わたしは・・・

ジル:
!大丈夫ですか?あなたは何を愛してるの?

Ots-44:
わたし、わたしは「ドロシー」を愛してる・・・

ドロシー:
やったわジル!私を愛してるって!

Ots-44:
違うわ、ドロシーじゃ無い・・・
私が好きなのは「ドロシー」という名前・・・あぁ、何て素晴らしい響きの電子音なの!

ドロシー:
は?
どういうこと!?

ジル:
仮設を立証できたみたいね。ドロシー、おめでとう。
今だけは「ベッキー」って名前を使うべきかもね。

ドロシー:
はぁー・・・
今夜だけは責任を持ってO44を送らないと・・・指揮官とやらに直接状況を伝えないとだし。
じゃあね、ジル!

Ots-44:
おやすみなさい、ジル!今日はありがとう!