キアナ:
・・・テレサ・・・学園長?
テレサ


PP90:
キアナさん、お友達でしょうか?

キアナ:
えっと、その・・・

PP90:
この方もキアナさんと同じ、別の世界から来た人間で間違いないですね?

キアナ:
・・・・・・
全部分かってたんだ・・・

PP90:
いいえ、さっき気付いたばかりです。けどこれ以上、私たちに嘘はつかないで欲しいの。

Vector:
別の世界?
キアナが・・・別世界の人間だって?

PP90:
・・・ねえVivi、あなたFive-seveNが普段どんな任務を遂行してるか知ってるでしょ?

Vector:
知らないわ、他人の仕事なんて私と関係ないし。

PP90:
ちょっとVivi、普段からもう少しみんなとコミュニケーション取ろうって言ったじゃん!
Five-seveNの部隊は「異変」事件を処理する専門部隊よ。つまり、今回の事件は異世界の人が関わってるって事!
落ち着いて考えると確かにありえない・・・突然ゾンビが出てくるなんて、こんなことは普通起きないよ・・・

キアナ:
「崩壊」だ・・・
この世界で崩壊が出現したんだ。
・・・PP90、そう、私は別の世界から来た人間よ。

Vector:
えっ?本当に言ってるの・・・?

キアナ:
ごめんなさい、今まで幾つか事実を隠してた・・・
騙すつもりはなかったの、本当よ。この事件が終わったらもう関わらないつもりだった・・・
けど、学園長までこの世界に来てたなんて・・・ここまで来たら、私の知ってることを全部話すわ。

PP90:
キアナさん、私たちはあなたが味方だと信じています。それでも、詳しい情報を教えて下さい。
あなた方の世界について知れれば、この事件を解決する手がかりが見つかるかも知れません。

キアナ:
「崩壊」は私たちの世界で発生する現象よ。
けど、あれは現象と言うよりは意志・・・そう破滅の意志を持つ物・・・
崩壊は様々な形で人類を脅かしてきたの。戦争、伝染病、気候変動から彗星の衝突、更には死士、それ以上の恐ろしい怪物の出現さえ引き起こすこともある。
私たちの記録によると、崩壊は地球を支配する種族に破滅をもたらす存在なの。

Vector:
・・・恐竜は?例えば恐竜の絶滅も「崩壊」が原因だったと?

PP90:
Vivi・・・あなたいつもそんなことを気にしてるから、みんなと反りが合わないのよ・・・

キアナ:
えーっと・・・私たちの世界だと確かそうだったはず。
けど2人の反応を見る限り、この世界に崩壊現象は存在しなかった・・・
・・・私たちがこっちに来てから崩壊が現れたんだ。

PP90:
あの・・・死士たちのこと?

キアナ:
崩壊現象の発生と維持には特殊なエネルギー-が必要なの。私たちはそれを「崩壊エネルギー」と呼んでる。
あの死士たち、あれは私たちの世界だと人間が崩壊エネルギーを浴びたことで人格、外見がやられてしまってゾンビみたいに変異した物よ。

Vector:
けど、あの死士たちは全部鉄血工場で作られた人形だけど?

キアナ:
崩壊は環境によってあらゆる物に作用する。この世界だと人形が多いから、こんな形で崩壊が発生したのかも。

PP90:
何なの・・・人類を敵視する意志が作り出した、悪意の産物だって言うの・・・

Vector:
あなたが携帯を使って死士を回避してたってことは・・・それが崩壊発生源を検出する機械ってこと?

キアナ:
そう、私の使命は「天命」組織の一員として崩壊の発生源を破壊、崩壊現象を制御可能な範囲にすること。
数日前に私たちの母艦で奇妙な崩壊エネルギーを観測したの。それは大型の大砲から打ち出されたみたいだった。
だからテレサ学園長の命令で、私は追跡調査をしていたの。ターゲットを追いかけて奥へ奥へと進んでたら、いつの間にかこの世界にワープしていて・・・

PP90:
それが・・・私たちの世界?

キアナ:
うん、追跡中に突然船が損傷して、ワープゲート内のエネルギーがなだれ込んできた。
何とかこの世界に不時着したけど、みんな嵐の中で散らばって・・・私は1人でこの世界に・・・

Vector:
まさに、私がいたところね。
それで、あのテレサって人もあなたの仲間なの?

キアナ:
うん、正確に言うと、私の上司と言うべきかな。
実際はもっと色々複雑で・・・なんていうか、ちょっとずれたボスというか・・・

PP90:
仲間ならよかったです、余計な戦闘を避けられますし、私たちに協力してくれますよね!

キアナ:
う、うん・・・そうだよね、そもそも私たちよそ者がこの世界で騒いでるんだから・・・
戦闘は起きないはず・・・大丈夫・・・多分・・・

Vector:
・・・


・・・30分後、禁止エリア内のテレサとコンタクトを取った

てれさ2
テレサ:
無理よ、絶対無理だから!

テレサ:
あたくしは絶対に!研究を続けるの!

キアナ:
今は研究なんかしてる場合じゃ無いでしょ!

テレサ:
キアナ、あなたが無事でいてくれてあたくしはとても嬉しいわ。
いや、正直言うとあんまり嬉しく無い。ここはそんなに危険じゃ無いし、無事で当然よね。

Vector:
あなたの組織は頭のネジが跳んでる人ばっかなの?

キアナ:
少なくともあんたが言う資格は無いんじゃない?Vector。
学園長、私はここで何人か友達が出来ました。
その場所は彼女たちが監視してる重要な場所なんです、まず研究は後回しにしましょう!

テレサ:
あなたは行く先々で新しい友達を作る・・・
まあいいわ!けどキアナ、わたしたちがここを通過したとき、地下から超強力なエネルギー信号を発見したの。
多分この世界の「遺跡」かもしれない!「聖遺物」の可能性もあるけど、どちらにせよ調査しないなんてあり得ないわ!

PP90:
遺跡?キアナさんの世界にもそんな物があるのですか?

キアナ:
テレサ学園長!今は遺跡の調査なんかしてる場合じゃ無いです!
私たちが原因で、この世界には死士がたくさん出現しています、彼女たちを助けてくれませんか?

テレサ:
あたくしも助けてあげたいわ、けどまず先にこの遺跡を調査してからよ!

PP90:
あの・・・すみません、テレサさん!
私たちはこの世界で安全保障業務を遂行してる戦術人形です!今あなたのいるエリアは、私たちの監視してる禁止エリアになってます!
もしそこから動かない場合、強硬手段を取らないといけません!

テレサ:
ふんっ!ここから出ようったって周りは死士だらけじゃ無いの!
もし止めたいのなら、周囲の死士を倒してから引っ張り出しなさい。
けどもし対面ところで・・・あたくしがすごすご引き下がると思わない事ね。

Vector:
あいつ・・・死士なんて敵ですら無いのね、凄まじい力の持ち主よ。
けど、どうしてあんなところで立ち止まってるの・・・?まるで私たちを待ち構えてるみたい・・・

キアナ:
あぁぁぁ!もう知らない!直接会ってふん捕まえてやる!学園長、そこで待ってなさい!

テレサ:
テリテリ!あたくしと戦った場合の勝算がどれぐらいか分かってるはずよね?

キアナ:
ええ、十分ね!けど今の私は一人じゃ無い!

PP90:
ちょちょっと!結局戦う羽目になるんですか?!しかも私たちまで巻き込まないで下さい!

キアナ:
心配しないで!程々に手加減するから!
さあテレサ学園長、前の世界でのリターンマッチと行きましょう!





・・・テレサと交戦中


テレサ:
どうしたの、キアナ!あなたの力はこんな物じゃ無いでしょ!

キアナ:
やっぱりおかしい・・・テレサ学園長!
どうしてそこで立ったまま中に入らないの?

テレサ:
この遺跡の入り口は私たちの世界にあるものと異なっていて調査中だからよ!

キアナ:
だ・か・ら!まず周りの死士達をどうにかしないとでしょ!

テレサ:
実は・・・あたくしも本当に驚いてるのよ、キアナ。
この世界に崩壊エネルギーは存在しないはず、なのにこの死士たちはどこから来たというの?

キアナ:
え?学園長、それは・・・

テレサ:
この遺跡こそ異変の原因、その可能性もあるんじゃないかしら?

キアナ:
それは、そうかも・・・

テレサ:
あたくしもこの世界について真剣に考えてたのよ!

キアナ:
た、確かにその通り、なの・・・?

PP90:
キアナさん!なんで相手の意見に賛同してるんですか?!
詭弁に引っかからないで下さい!

キアナ:
ああ、危ない危ない!
とにかく、テレサ学園長!こんなことしてないで早く諦めて下さい!!

テレサ:
ちぇっ、あともう少しで騙せたのに!
ウォーミングアップの時間は終わりよ、少し休憩したら、またもう一度勝負しましょう!





・・・テレサと交戦中。

(通信音)


テレサ:
・・・分かったわ!
お遊びはここまでよ!

・・・テレサは戦闘エリアから飛び出し、武器を捨てた。

PP90:
え?突然戦闘をやめるなんて・・・?

Vector:
あいつ、本気なんて一切出してなかった・・・

キアナ:
何よ学園長、またこれもテストだってわけ?

テレサ:
まぁそんな物よ、多少この世界の戦闘方式を見せて貰ったけど・・・古典的な戦術ね。
もう一つの目的・・・遺跡の調査は今終わったわ。

キアナ:
何ですって?さっきまでずっとここにいたはず・・・

テレサ:
テリテリ!わたくしが入り口に立ってるだけで何もしないことに疑問を持たなかったのかしら?
ねぇ、こちらは片がついたわ。状況を報告なさい。

???:
残念な知らせよ、学園長。
地下で使用されている防壁は我々の知ってる技術体系と根本的に異なってる。今の私たちでこじ開けるのは不可能ね。
詳細は送信したレポートの通り、内部のエネルギーは崩壊発生源と異なると推測されるわ。

テレサ:
そう、この世界にも面白い秘密が隠されてるみたいね・・・
けどこの結果は残念。OK、もう仕事を終えて戻ってよろしい!

???:
了解、今から地上に上がるわ・・・

キアナ:
この声・・・
姫子?姫子なの?!

姫子
姫子:
キアナか、無事でよかった・・・
ちょっと、一体何が起きたって言うの?2人でケンカでもしてたのかしら?

テレサ:
へへっ、キアナの新しい友人の実力を見せて貰ったのよ。
だから、これで問題はないはずよね?わたくしたちはキアナの上司なんだから丁重に扱いなさい。

PP90:
え?わ、分かりました・・・

Vector:
さっきまで戦ってたのに、態度が急変しすぎでしょ・・・

テレサ:
あなたたちはアンドロイドなんでしょ?なら、人間には当然丁寧に接するべきよね?
さあ何をぼんやりしてるの、早くわたくしを基地に連れて行ってお茶の一杯でもだしてちょうだい。

姫子:
サンキュー、酒があれば最高なんだがな。


・・・30分後グリフィン拠点内にて

テレサ3
テレサ:
なるほど・・・
あなたたちの敵・・・つまり鉄血とか言う反乱を起こした機械共が死士を操る力を手に入れたと?

キアナ:
そう、けどこの世界じゃ私たちの助け無しで崩壊を操るなんて無理よ。

テレサ:
厄介ね、学園の人間がそいつらに捕まったのかもしれないわ。

キアナ:
ブローニャ、またはメイ先輩が?あの2人が素直に従うとも思えないけど・・・
待って、もしかして奴らに利用されてるのかも!

PP90:
鉄血のリーダーは非常に狡猾です、可能性は否定できません。

Vector:
デストロイヤーが狡猾?本気で言ってるの?

キアナ:
まあとにかく、今はグリフィンも私たちも目指すところは同じって事でいいよね?

PP90:
Five-seveNに状況を伝えます、恐らく問題ないはずです!

Vector:
・・・

テレサ:
よし、要は敵のリーダーさえ倒せば全て解決するって事よね。
キアナ、わたくしたちがこの世界に干渉するのは余りよろしくないから、これからの作戦も「指揮官」のあなたがやってちょうだい。
ちょっとわたくしはグリフィンの基地まで行ってくるわ~

キアナ:
学園長・・・こんな状況でも情報を集めるつもりですか・・・

テレサ:
テリテリ!こんなにレアな事象が起きたのよ、手ぶらで帰れるわけないじゃない!

・・・姫子が入ってきた

姫子:
テレサ、悪いニュースよ。ハイペリオン号と連絡が取れないわ。

テレサ:
面倒ね、このままだと元の世界に帰れないわ。
けど・・・おそらく通信システムが壊れただけよ、誰かが位置座標を確認できれば十分なはず。
誰を送ろうかしら?姫子、あなた行ってくれない?

姫子:
すみません、学園長。
あなたがまた悪戯をしないよう、私はそばで見張らせてもらうわ。

Vector:
・・・では、グリフィンの人形はいかがでしょうか?
こんな人形を信用できるなら、という前提付きですが。

テレサ:
本当にいいのかしら?じゃあお願いするわ!

PP90:
Vivi、1人で大丈夫?何なら私もついて・・・

Vector:
邪魔なだけよ、やっぱりわたしは1人の方がいいから。

姫子:
ありがとう、Vectorはこのデバイスを持って私の指定したポイントに向かってちょうだい。あとは信号強度を辿れば船を探せるはず。
目標は巨大な飛行船、赤黒のカラーリングだからすぐ分かるわ。

Vector:
赤黒塗装の巨大飛行船ですか?分かりました。

姫子:
あと、船には「ゼーレ」という娘が乗ってるはず。人見知りが激しいから、注意してちょうだい。さもないと・・・

Vector:
?さもないと・・・?

テレサ:
ゼーレには危険な人格が宿っている。普段は制御されてるけど、また暴走する可能性も無くはないの。

PP90:
Vivi、あなただと彼女を怖がらせるんじゃ、やっぱり私も・・・

Vector:
あなたはこの部隊の副官よ、ここでやるべき事をやって。
得意じゃ無いけど、私だって外向けの顔ぐらい作れるわ。
じゃあもう行くから・・・

・・・Vectorは部屋から出て行った。

PP90:

Vivi、本当に大丈夫かな・・・

キアナ:
心配しないで、PP90。
わたしの見た感じ、Vectorはとても繊細な心を持った人形よ。むしろ繊細すぎて敏感なぐらいかも。
少し傲慢なところもあるけど、ゼーレからしたらむしろそれぐらいがふさわしいと思う。

PP90:
そうなの?
よかった・・・Viviと気の合う友達になってくれたらいいな。

キアナ:
あなたも彼女の友達よ、ただあいつは自分の口で言わないだけ。
さぁ、雑談の時間はここまで、仕事に取りかかろう!
目標、鉄血のデストロイヤー!死士人形共を片付けて私たちの仲間を取り戻すわよ!



1章:赤い帆、黒きマストの船  終





余談:
E1-4 Sランククリア条件「11ターン以内に補給線を確立し2ターン維持」
1-4map
クソMAPすぎじゃないだろうか