……
15分後、Vectorとキアナは照明の消えた基地をさまよっていた
キアナ:
…分かった。
グリフィンってのはお金を報酬とするPMCで、主に各地の平和を維持するため働いてる。
そして、そこで働いている人は全部女の子の姿をしたアンドロイド…Vectorみたいな子ね、これであってる?
Vector:
今は非常事態なので、それだけ分かっていれば十分です。
キアナ:
けど信じられない…あなた、本当に人工生命体なの?全くそう見えないわ。
Vector:
へぇ、さっき私に対しまるでロボットみたいと言ったのは一体誰でしょうか?
キアナ:
う…それは…
Vector:
気にしないで下さい、どうせ私は人間のために奉仕する単純な人形ですから。
それから、表情を見る限りあなたが嘘をついてるように見えません。偶然基地内に迷い込んだのでしょう。
キアナ:
またその目!そんな目で私を見ないで!
Vector:
どうしてですか?私が人間ではなく、アンドロイドだから不快感を感じるのですか?
キアナ:
そうじゃない、ただ人間相手でもまっすぐこっちを見られるのは、なんか恥ずかしいって言うか…
Vector:
申し訳ありません、やはり私が見ていると不快感を与えてしまうようです。すぐに視線を変えます。
キアナ:
ねえ!ちょっとあなた、まともにおしゃべりも出来ないの!
Vector:
更に言えば、互いに向き合っているのは周囲警戒の妨げとなります、別々の方向を確認することを提案します。
キアナ:
うーん…それも、そうね。
Vector:
懐中電灯をどうぞ。これで視界も良くなるはずです。
申し訳ありません、あなたの携帯電話にずっと頼っていました。これは私の過失です。
キアナ:
いやいや、この携帯は別のことに使ってたのよ。
Vector:
それは…何か調べてるのですか?
キアナ:
え?もう分かったの?まぁそれで合ってるかな。
Vector:
さっきあなたが通路をいくつか迂回しようと提案したのは、あのゾンビ、いや死士を避けるためと推測します。
いえ、別に言わなくても結構です。私みたいな人形に心を開かず、あなたの心の中にとどめておくのは合理的判断です。
キアナ:
いや、そんなつもり無かったんだけど…
何て言うか、説明が面倒で・・・ここを脱出できたら説明するわ。
Vector:
あなたはお客様です。どうぞご自由に。
キアナ:
それよりも、この基地にいるのは私たち二人だけなの?
Vector:
おそらく、他の人形は全て撤収したはずです。
キアナ:
えっと…
まさか、あなた取り残されたの?
Vector:
私がそうするよう指示しました。これが最も費用対効果の高い方法です。
そう、いつもと同じ…
キアナ:
そう…
…キアナは辺りを見回し、それから再びVectorを見た
Vector:
どうしました?
キアナ:
この状態…そういえば、以前にも1度経験したことが…
今みたいに2人きりで、大量の死士が蠢く場所に閉じ込められて、逃げようと必死で戦ったの。
その人とは…その後親友になったんだけど…
Vector:
人間の記憶は美化されるものです。「今隣に私がいる」ことで思い出が穢されないことを祈ります。
キアナ:
そんなことないよ、むしろ…あなたは彼女と似てるって言うか。
そういえばVector…他の人形もあなたみたいな性格なの?
Vector:
わたしのように面倒くさい人形は他にいないと思います。
キアナ:
(小声で)自覚あるんだ…
じゃあここを脱出できれば、他の人形と合流できるの?
Vector:
おそらくは。
けどキアナさん、すみませんが私は脱出するためにここをさまよっていたわけではありません。
キアナ:
え?どういうこと?
Vector:
今の通路、既に1度通過してることに気付いてましたか?
キアナ:
そ、そうなの?
そう言われると…そんな気もしてきた。いつここに戻ってきたの?
Vector:
やはりあなたは空間認識能力が劣ってるようです。産業スパイならこの程度、簡単に把握してるでしょうが。
キアナ:
ちょっと!私は真っ暗でゾンビだらけの場所を半日も歩いてたのよ…
まさか、私を試していたの!?
Vector:
私の目的は通信設備を復旧させることです。
原因があるとすれば、この部屋ね…
…Vectorは小部屋に入り、周囲を確認し始めた
…キアナも続いて入り部屋の中を見渡した
キアナ:
ねぇ!待ってよVector!
今この基地にどれだけの死士がいるか分かってるでしょ?今は配線をいじくってる暇なんて無いと思うんだけど!
Vector:
信じられないかもしれないですが、私の計画が一番確実です。
…そう言うと、Vectorは部屋の隅にうずくまり設備をいじりだした
キアナ:
ちょっと!私はあなたが心配だから一緒についてきてあげたのよ!
あんたの助けなんか無くても私一人でも脱出できるんだから!
Vector:
私を心配するなんて、それこそ時間の無駄です。それと、一人でこの基地から脱出できると本当に思ってるのですか?
あなたは同じ場所を3回も通過してることすら気付いてませんでした。
キアナ:
3…3回?!
Vector:
あなたの賢さは人の平均値より大幅に低いと考えられます。あなた1人でその頭脳を頼りに出口を発見できるかとても心配です。
あと1つ、今程心配してると言いましたが実際そこまで気に病んでるつもりはありません。あくまで業務遂行上必要な感情なのでご了承願います。
…通信機能は正常、一体どこに問題が…
キアナ:
フン!心配しなくて結構よ!邪魔するやつは私だけでも倒せるわ。
Vector:
確かにあなたの腕ならゾンビ程度は楽に倒せるでしょう。が、持っている武器は私たちと弾薬の互換性がありません。補給はどうするつもりです?
…接触が原因か…
キアナ:
この私を侮らないで!どんな武器でも使いこなせるんだから!
Vector:
例え武器庫の位置を教えたところで、1人でそこまでたどり着けるとも思えませんが?
キアナ:
うぅ…
Vector:
やはりあなたは産業スパイ、あるいはそれに類する危険人物では無いと判断します。
…端子が歪んでいただけね、これを接続すれば…
キアナ:
じゃ、じゃああなたは出口を知ってるのかしら?この私の助けが無ければ死士を倒せないくせに!
…Vectorは通信システムを復旧させ、起動テストを始めた
Vector:
隠し通路の位置は分かってます。だから落ち着いて、大声で騒がないで下さい、キアナさん。
キアナ:
あんた、人間に奉仕するとか言ってた癖に、どうしてそんなに意地が悪いのよ!
Vector:
フフッ、私はお世辞を言えるほど賢くありませんから。そして、今あなたが頼れるのは私だけです。
…信号は正常、オールグリーン。
Vectorは通信機に呼びかけた
Vector:
PP90、こちらVector。繰り返すPP90、こちらVector、応答せよ。
PP90:
V…Vivi?
Vivivivivivivivi~~~~~!
キアナ:
性格に問題のある人形の次は、言語に問題のある人形が出てきたわね…
PP90:
あなたが通信システムを直したの?そうなんでしょ!
Vector:
偶然見つけたから多少いじっただけよ。
キアナ:
……
PP90:
あぁー!
Vivi!本当にごめんなさい!さっき地震が起きたときに通信機が壊れてしまって!
私もテンパっちゃって、安全かどうかも調べずに指揮官を先に撤収させちゃったの!だから皆指示も貰えず動けなくて、もうダメかと!!
あなたのおかげで皆助かるわ!Vivi、本当にありがとう!
Vector:
運が良かっただけよ…部隊の状況はどう?私たちも合流していいかしら?
PP90:
勿論よ!早く来て!
ところで…「私たち」?あなた以外の人形は皆ここにいるはずだけど…
Vector:
人間を1人発見したの。説明は後でするから、合流地点の座標を。
PP90:
おお!その人も歓迎してあげないとね!座標は今送ったよ!
それで、指揮官に今通信を送ったわ。私たちは今から敵包囲を突破する!!2人とも急いで合流できそう?
Vector:
問題ないわ、あなたは脱出を優先して。こっちはこっちでやるから。
…VectorはPP90の返答を待たずに通信を切った
キアナ:
あなた、本当に素直じゃ無いね。もし向こうが私たちを見捨てたらどうするつもり?
Vector:
PP90の一番迷惑なところは…誰にでも親身に接するところです。
キアナ:
はぁ?人形の中でもあなたはとびっきりの変人みたいね…
それで、隠し通路の場所はどこかしら?早く行きましょう。
Vector:
そんな通路なんて無いです。ただ静かに通信したかったからそう言っただけです。
キアナ:
あ、あんた鬼でしょ!なんでそんなに意地が悪いの!?
Vector:
私たちの指揮官が信号を受信したはず、すぐに部隊が作戦を始めるでしょう。
今から急げば追いつくことが出来るはず。
…Vectorはキアナを無視して部屋から出て行った
キアナ:
ねぇ、ねぇ!ちょっと待ってよ!
もううんざりよ!なんでこんなアンドロイドに振り回されないといけないのよー!
…キアナもVectorに続いて部屋を飛び出した
…同時刻、グリフィン人形部隊は包囲突破作戦を開始
PP90:
指揮官、私たちは準備万端です。いつでも作戦を始められます!
それから、Vectorが私たちと合流するため移動してますが、途中で人間と合流したみたいです!
正直…Viviらしくない行動ですが…
彼女なら1人で大丈夫かもですが、戦力に余裕があるなら是非2人を支援しましょう!
ブリーフィングは以上となります。指揮官、これより敵包囲突破作戦を開始します!
…作戦終了、部隊は新たな拠点へ無事脱出し、Vector・キアナの2人とも合流した
キアナ:
ふぅ…何とか脱出できた…
まぁあなたの道案内だけは褒めてあげるわ。
Vector:
ありがとうございます、それが出来なければ私は本当に役立たずなので。
…Vectorは拠点のドアを開けた
キアナ:
ふん、私はずっとあなたを助けてたし、それに私一人で行動してても大丈夫ーー
えっ…
室内に入った途端、キアナは固まってしまった
Vector:
どうしました?
キアナ:
…Vector、この娘たちがみんな…戦術人形なの?
Vector:
…答えるまでもないでしょう。
キアナ:
うわーー!本当に可愛い!!
わたし、私は今天国にいるの!?Vectorは副官とやらに会ってきて、私は勝手にやってるから!
みんなこんにちはーー!私はキアナって言うの!!
…キアナは人形の中に突っ込んでいった
Vector:
…
ようやく静かになった…
そう、いつもと同じ…
…Vectorは無言で部屋の隅に歩いて行った
…すると突然
PP90:
Vivi!
あぁ!Viviが帰ってきてくれた!
…PP90が走り寄ってVectorを抱きしめた
Vector:
あのさ…痛いから、まずは放してくれない…
PP90:
あぁ!ゴメンゴメン!ちょっと興奮しちゃって。
Vivi、また会えて本当に嬉しいよ!
Vector:
私に対してその反応、無意味な行動に過ぎないわ。
PP90:
けど、私達を救うためにあなた1人であそこに残って…
Vector:
ただ命令を実行しただけ、あなたと同じようにね。
PP90:
ああっ!もう!
…PP90はVectorの肩をパンチした
PP90:
どうして!あなたは、いつも、こうなの!私がどれだけ心配していると…!
大体、帰ってきてからあいさつもしないで、なんで隅っこでぼーっとしてるのよ!
Vector:
別にいいでしょ、生きて帰ってきたんだから。副官のあなたが気にすることじゃない。
PP90:
あなたがいないと私が不安なの!
ふぅ…ねぇVivi、私たちは戦場で戦う仲間なの。だからもう少し私を信用してよ!
Vector:
それが命令なら従うけど。
PP90:
そう、「命令」ね、じゃあ今から命令するんだから!
指揮官が撤収作戦の指示を送ってきたわ、少し休息を取った後全員でここを出発する。
Vivi、これは命令よ。今度は単独行動しないで私と一緒に来てくれる?
Vector:
命令なんでしょ、ならできるとかできないとか聞かないでちょうだい。
PP90:
分かった、約束よ。
それで、あの人間の娘…いったいどこから来たの?
Vector:
防衛拠点で遭遇したの。今回のゾンビ出現について色々知ってるみたいだけど、真相は隠し続けてる。
ただ、同行中に何度かテストしてみたわ。脅威度は非常に低いと思う。
PP90:
そう!Viviがそう言うなら安心ね!
…キアナがやってきた
キアナ:
Vector、この子があなたの友人なの?
PP90:
こんにちは!私は戦術人形のPP90です。今回の作戦では指揮官の副官を務めてます、あなたの為に働けてとても光栄です!
キアナ:
……
…キアナはPP90の顔をじっと見つめている
PP90:
えっと…何か、問題でもありましたか?
キアナ:
いや、何でも無いわ。
あなたと私の友人が…少し似てると思ったから。
PP90:
へへっ、そうおっしゃっていただけるなんて、人形として光栄です。
キアナ:
けど、性格はまるで正反対…
ああ、でも!あなたも彼女もどっちも可愛いわ!2人とも大好きよ!
はじめまして、私はキアナ。ちょっと予想外の事故に巻き込まれちゃったみたいだけど、みんなよろしくね!
PP90:
はじめまして、キアナさん、安心して下さい。私たちグリフィン民間警備会社があなたの安全を守ります!
Vector:
こんな時でも宣伝を忘れないのね…
あと、この子の前じゃ私たちが守られる側よ。
…え…何?
…PP90がVectorの方を向いて笑っている
PP90:
へへっ…Vivi、あなたツッコミが得意だなんてね。
Vector:
ツッコミ…?
PP90:
T65が教えてくれたの、要するに、あなたにはユーモアのセンスがあるってことよ!
ようやくあなたの内面を知ることができたわ!このトラブルにも少しは感謝しないとね。
ふぅー…何とか一段落付けそうね、あとは指揮官の命令に従って行動するだけ。何も心配すること無いわ。
キアナ:
ちょっと!そんなフラグを建てるようなこと言ったら…
ザザッ…ザァァァ…
PP90:
何?これはオープンチャンネル?
デストロイヤー:
フハハハハッ!やあグリフィンの皆、ご機嫌よう!
今日はお前達に面白いことを教えてやる…この戦いはもうすぐ私の勝利で終わるのさ!
さっきのゾンビ達は気に入ってくれたかな?
え?何なの?
Vector:
…?
デストロイヤー:
ああそうだった、ゴメン、ゴホンゴホン…
それで、さっきの死士達は気にいってくれたかな?
この攻撃は私の持ってる戦力の十分の一も使ってないんだけどね!
PP90:
待って、まさか!
あのゾンビ達は鉄血が送り込んだの?!どれだけの戦力を持ってるのよ!
Vector:
結局、犯人は鉄血か…正直つまらない…
デストロイヤー:
この機会をどれだけ待ち望んでいたか!グリフィンの悪党どもめ!
普段の私に対する仕打ち、今日の私が全て、全て!全て!纏めて復讐してやる!
Vector:
だからあんなことを?大体、そこまで恨みがあるなら指揮官に直接復讐したらいいのに・・・
デストロイヤー:
ところで…この戦力は偶然手に入れた物だ。指揮系統も私と違うし、エルダーブレイン様の命令でも無い。
だから私の部隊を全力投入する気も無いけど、あんたらみたいな人形風情はこの死士だけでも十分だよな?
PP90:
見くびらないで!
…PP90がオープンチャンネルに割り込んだ
PP90:
デストロイヤー、ゾンビの群れを送り込んだだけでいい気にならないで!あんたの指揮する部隊なんて全然怖くないんだから!
私たちの指揮官はどこぞのバカと違って、体も頭も次元が違うのよ!
デストロイヤー:
ふんっ!何とでもいえ!完全な私の姿を見たら、今言った言葉を後悔するだろうさ!このドリル頭、頭の先から胃袋までアイスクリームまみれの人形め!
PP90:
は?誰がドリル頭ですって?!侮辱するのも大概にしなさいよ!!
それに私は最近ダイエットしてるし、おやつだって食べて無いの!!
キアナ:
(小声)なんか、論点微妙にズレてない?
デストロイヤー:
哀れなグリフィン人形どもめ、指揮官に媚びを売ることに全力を注ぐなんて。この木偶が!虫けらが!
PP90:
それがどうしたっていうの!指揮官は私たちに勝利と人形としての存在意義をくれるのよ!
あなたみたいに好き勝手暴れてる奴らと違うの!このギャング!無法者!裏切り者の人形め!
デストロイヤー:
ヘヘッ…つまり、お前達は指揮官がいなければ何も出来ない木偶なんだろ?
そうさ!指揮官さえいなかったら、お前達をさっきの拠点で一網打尽に出来た!
だから、私は準備をしておいたのさ…これでどうだ!
…ビービービー!
PP90:
この警報は…通信システムがダウンした?!
デストロイヤー:
お前たちの拠点と司令部を繋ぐ通信を全て切断してやったのさ。
私のゾン…いや、死士部隊が!お前達の通信拠点を全部襲撃して!破壊してやったのさ!
PP90:
ありえない!全ての通信拠点が破壊されたのに監視システムが1つも反応してないなんて?!
デストロイヤー:
以前ならこの作戦は無理だっただろう、だが今は違う!忠実な部下がたくさんいるおかげでこんな戦術も取れるようになったんだ!このエリアから撤退しようにも、お前達は愛する指揮官と連絡すら取れない!
グリフィンの人形ども、降伏も命乞いももう遅い!私の恨み、身をもって味わうがいい!ハハハハハッ!
…通信が切れた
PP90:
そんな…こんなこと…
どうすればいいの…
キアナ:
ねぇ、あなたたちは「指揮官」がいないと行動できないの?
PP90:
今ここに…指揮モジュールを組み込んだ人形はいない…
指揮官の命令が無ければ…その場に合わせた戦術を組むことも、多数の人形を指揮することも出来ない…
キアナ:
人形も…私たちと全く同じじゃ無いんだ…
Vector:
私たちは所詮人形、あなたたち人間に従う商品よ。
人形を可愛い、可愛いって褒めてたけど、それこそが私たちを製造する目的だって分からなかったの?
PP90:
Vivi、やめて…これはキアナさんのせいじゃないわ。
Vector:
この子のせいじゃない?
…Vectorは冷笑した
Vector:
私が倉庫内でゾンビと交戦してるとき、突然地震…正確に言うと嵐のようなエネルギー波を受けて気絶した。
そしてキアナさん、あなたが現れた。
あのエネルギー波はあなたの出現と同時に発生した、違うかしら?
キアナ:
確かにそうよ…けど、私だってわざとあのタイミングで来たわけじゃ無い!
私は通りすがりの女子高生、あれはただの事故なのよ!
Vector:
あなたさえ現れなければ、私は無事撤収できた。部隊と合流し、ここから撤退することも出来たはず、けど今はどうにもならない…
あなたなら1人でゾンビ達を突っ切ることも出来るでしょう。けど、指揮官のいない人形達は各個撃破されるだけ…
あなたこそまさに神の与えし恵みね、人間さん。殉死する栄誉をいただけて光栄だわ。
キアナ:
違う!私はあなたの敵じゃない!
PP90:
ごめんなさい、キアナさん。Viviはもとからこんな感じなの、許してあげて…
キアナ:
Vector…
これが、あなたの本性だっていうの?
いくら賢そうに振る舞っても結局他人の事を考えられない、自己中心的なだけじゃない!
Vector:
私はあなたのために死ぬ、それが任務だから。けど本心からそうしたいなんて思ってないわ。
キアナ:
じゃあ、あなたは何がしたいのよ?他人の好意すら素直に受け入れられない癖に。
あんたは何も分かってない、なのにどうして…どうしてわたしのせいで死ぬなんて断言できるのよ!!
PP90:
キアナさん…
キアナ:
人間でも…人形でも変わらないよ…
どんな世界でも、私は、身近な人を失いたくない…
Vector:
……あなたは女子高生なの、それとも女子高の先生なの?
余命1時間も無い哀れな人形を教え導くより、どうやって逃げるか考えた方がいいと思うけど。
キアナ:
だから!私はそんなこと考えてない!
私は逃げない、ここに残るの!
PP90:
キアナさん、お願いだから落ち着いて。あなたがどんなに強くても、ゾンビ人形を全て倒すことは不可能です!
キアナ:
分かってるわ…けど、指揮官がいれば問題ないんでしょ?
Vector:
さっきの話を聞いてなかったの?今指揮官と通信でき…
待って、あなたまさか…
無理よ…
キアナ:
ええそうよ、私があなたたちの指揮官になってあげるわ!
E1-2 終
今回も@Kitaraku_CCさんに校正していただきました。
本当にありがとうございます!




コメント
コメント一覧 (4)
正 ロボットみたいと言った
誤 今ほど心配してると
正 たった今心配してると
誤 お前の拠点と指揮部間の通信を全て切断してやったのさ。
正 お前の拠点と司令部の間の通信を全て切断してやったのさ。
違和感を覚えた部分について。
参考にして頂ければ幸いです。
ご指摘ありがとうございます!
修正致しました。
所々に人形の価値観や痛烈な皮肉が読み取れる。翻訳感謝です
そこに気づいていただけるとは、嬉しいです!
感想ありがとうございます!