調査の末、私たちは遂にターゲットが地下へ逃げたことを突き止めました。これが、最終任務です。


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21:30、セーフハウスの一角にて

SOP:
それで…本当にこの穴へ入らないといけないの…
SOP:
真っ暗でちょーっと怖いよ…
RO:
ターゲットがこの通路を使ったのは間違いないわ。入り口に不規則な汚れが付いてるし、ほんの少し前に誰かが通ったのよ。
SOP:
その通りだとしても…RO、これは敵の仕掛けた罠かもしれない。通路に入ったら最後、何十もの人形に取り囲まれるかも…
RO:
その可能性もあるわね…何かアイディアはあるかしら?
SOP:
妖精を使うのはどうかな?
RO:
妖精?今は外で浮かんでるはずだけど、どう使うの?
SOP:
じゃあ、妖精を呼んでくれる?
SOP:
まずわたしたちは地下を偵察して、下水道の地形データを集めよう。もし敵がいなくても道に迷ってしまったら時間の無駄だから。
SOP:
わたしが妖精と一緒に先に降りるから、途中まで行ったら妖精を偵察に飛ばすね。あいつは小さいからいい感じの偵察ドローンになるはず。
SOP:
こうすれば万が一敵が待ち伏せしていても、すぐ逃げられると思うよ。
RO:
わたしは行かなくていいの?
SOP:
今回は私に任せて!実戦は得意中の得意なんだから。それにこんな狭いところ、二人でいたら余計危険だし…
RO:
そうね、分かったわ。あなたの案で行きましょう。
RO:
あ、妖精が来たわよ。
SOP:
おお、早い!
勇士妖精:
ようやく私の出番が来たな!さあ、指示をくれ!
RO:
通路を降りて下水道の状況を偵察してちょうだい。もし敵と遭遇してもバレないようにね。
勇士妖精:
とても危険な任務じゃないか!
RO:
これが成功したら、ラボに戻った時更に強化してもらえるようお願いするから。
勇士妖精:
いいだろう、約束だからな!

RO635は妖精ドローンをSOP2に渡した。

SOP:
思ったんだけどさ…妖精のAI、そんなに賢くないよね…
RO:
結局のところ、ペルシカさんが片手間に作った人格プログラムだから。
SOP:
わたしたちも片手間で設計されてないことを祈るよ…
勇士妖精:
さあ、ともに任務を始めよう!
SOP:
そうだね、任務開始だ。妖精も私と行くよ!

SOP:
あぁ…敵が前方に展開してるみたいだ…RO、地下のスキャンデータをとれたけど、確認できる?
RO:
よくない状況ね、あいつらもここまでたどり着いてたのか…下水道なら白い人形どもも遠慮なく攻撃してくるわ…
RO:
私たち2人だけじゃ、勝算はゼロよ。
SOP:
じゃあどうするのさ、このまま指をくわえて見てるしかないの?
RO:
指揮官に連絡するわ…その前にまず、戦闘シミュレーションを行いましょう。
SOP:
戦闘シミュレーション?
RO:
そう、この後想定される戦闘を予測しておくの。そうすれば指揮官に多くの判断材料を与えられるわ。
SOP:
さすが、ROは考えることが違うね…
RO:
そんなことないって…あなたは地形スキャンを続けて敵の情報を送ってちょうだい。私は電脳内でシミュレーションを行うわ。
RO:
偵察はあなたに任せるわよ!
SOP:
よーし、任せて!


シミュレーション終了

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SOP:
RO、聞こえる?下水道内部はほぼ全部スキャンしたよ。
勇士妖精:
どうだ!わたしはすごいだろ!
RO:
白い厄介者以外に何か手掛かりは見つかったかしら?
SOP:
隠し部屋を一つ見つけたよ、中には銃火器がいっぱあった。あれを全部ターゲットが集めてたなら本当に万全の備えをしてたんだね…
RO:
あいつらを相手にするには不十分な備えだけどね…
ターゲットの痕跡は見つかった?
SOP:
人間に似た熱源を感知したけど、妖精が近づいたら消えちゃった。
痕跡を見る限り、中心部の水門エリアに向かってるみたいだ。白い奴らが追い付くにはまだ時間がある。
RO:
普通の人間とは思えない動きね、やっぱり背後に何らかの組織が…SOP2、NYTOの反応はあった?
SOP:
いや、隅々まで妖精でスキャンしたけど、NYTOに似た反応は無かったよ。
RO:
NYTOが直接手を出すまでも無いってことかしら…
SOP:
これからどうしよう、あいつらより先にターゲットを見つけないとマズくない?
RO:
このエリアは狭すぎるわ。私たちが先に彼を見つけても、奴らに追いつかれて戦闘は避けられないはず。
RO:
更に増援部隊が、あと火力支援部隊も必要ね。
SOP:
下水道で使うの?
RO:
そうよ、使うの。
SOP:
分かった…増援部隊が時間通り来るよう祈るしかないね…
SOP:
支援が来なかったら、戦力はわたしたち2人と妖精の合わせて3人だけだよ!
勇士妖精:
わたしに任せろ!
RO:
指揮官を信じましょう、今地形とシミュレーションデータの両方を指揮官へ転送してるわ。
あとは指示を待つだけよ。
RO:
ターゲットがわたしたちの苦労に見合うだけの情報を持っているなら…
SOP:
そういえばRO、指揮官は今何をしてるんだろう?
SOP:
こういうときこそ指揮官が直接指揮してくれたほうが安心なんだけど…
RO:
愚痴をこぼさないの、指揮官は他に重要な仕事があるのよ。まさか私たちを見捨ててカフェでカプチーノを飲んでるとでも言うの?



同時刻、ベオグラード某所のカフェ

ウェイター
はい、こちらがカプチーノになります。ご注文通りに温めてあります、どうぞごゆっくりお召し上がり下さい。

わたしは頷き、カップを受け取った。ちょうどよい温かさだ、グリフィンに入社する以前も、ちょうどこれくらいの温度で入れていた。
ウェイターが離れたので、ゆっくりと味わっていただく。
長い間配給のインスタントコーヒーだけ飲んでいたが、挽き立てのコーヒーを口に含むと、まるで砂漠の中でオアシスを見つけたような清涼感が私を包む。カフェインの効果で頭もすっきりしてきた。

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カリーナ:
一通り情報を確認してきました。
まさか、あの事件について報道が何一つ存在しないなんて…あれだけの騒ぎが起きたのに、誰も気にしないのでしょうか?
指揮官:
彼らにとって、この程度の情報統制は朝飯前だろう。重要なのは次の行動が何も取られてないことだ。
カリーナ:
つまり、あいつららしくないと言いたいのですか?
指揮官:
…彼らだけじゃない、他のあらゆる人とも…

私はカフェのテレビに目を向けた。ちょうどニュースが流れているようだ。

ニュース:
新ソビエト連邦の外務省スポークスマンが先ほど発表した計画によると、新ソ連欧州相互協会全権代表ヴァシリー・ヴァシリヴィッチ・ローシェン氏は、3日後に汎欧州復興相互協力協会の執行委員ミルコ・ミロシェビッチ氏と、ベオグラードで会談を行うことになりました。
ニュース:
ローシェン氏は前日のインタビューで「今回の会談は、国家連盟間の相互協力問題だけで無く、地域紛争をいかにして減らしていくかについても議論する」と明らかにしており…
ニュース:
さらに、「我々は正義と平和を取り戻し、人々を守るために全力を尽くす」とも述べています。
ニュース:
…次のニュースです。
厚生労働省報道官の発表によると、今後3ヶ月にわたり5級市民の生活配給が更に削減される見通しであることが明らかになりました。この発表を受け各地で抗議行動が発生しており、既に3箇所で……
カリーナ:
例え都市に住んでても、みんなが幸せに過ごせるわけじゃないですよね…

私はカリーナの問いかけに答えなかった。手元の端末は、4個人形部隊が鉄道を利用してこの街に集結したことを知らせている。
遠くを見ると、ドナウ川から輸送船が1隻入港していた。船番52318…残りの火力支援部隊が積載されてるはずだ。
ハベル氏が約束した物は到着した。あとこちらの手札は…


ピピッ…ピピッ…
RO635が地図と状況報告を送ってきた。


指揮官:
残るは、全てを繋ぐ情報屋だけか…
カリーナ:
指揮官様、何かおっしゃいました?

今日は本当に疲れた、これが最後の仕事であることを祈ろう。

指揮官:
カリーナ、出発するぞ。
カリーナ:
え?もう行くんですか?!わたしまだケーキ全部食べてないです!


11-6 終